『石材店にナワバリってあるの?』
という質問に対してお答えします。
墓地によっては指定の石材店(施工業者)が決まっていて、指定業者以外には墓石工事など施工をさせないという場所があります。
『おたくに工事をお願いしたいんだけど?』
残念なことに、上記のようにおっしゃって頂けるお施主様にもお断りをしないといけない場合がございます。それは、そのお施主様が民間霊園に墓地をお持ちで指定石材店というのが決まってしまっているときです。
どうして指定石材店が決まっている?
民間霊園というのは必ず指定石材店が決まっています。
民間霊園は昔から墓地としてあるわけではなく、土地を開発して霊園として売り出します。 開発には高額な費用がかかり、その費用に対して、石材店に出資を募ります。そして、出資した石材店だけが、その出資額に比例して、お墓を建てる権利(建墓権)を得るという仕組みです。
例えば2,000区画の墓地がある霊園に対して4社が出資をした場合、出資額に比例して、A社に800区画、B社に600区画、C社に400区画、D社に200区画、建墓権が与えられる、という具合です。
お墓を建てるお施主様にとっては『そんなのしらない。お墓を建てる業者は自分で決めたい』と言いたいところかもしれませんが、石材店も出資をしている以上、そこのルールに関しては厳格に規約として取り決めており、他の業者が施工することを拒否できるルールになっております。
お寺でも指定石材店制度がある?
寺院墓地でも指定石材店を取り決めている場合があります。
民間霊園のように、墓地の区画を石材店の出資で造成しているため、といった理由も一つです。
リベートを払っているからという場合もあるでしょう。
しかし、その一方で色々な石材店をどこでも施工可能にしていると、地方などから石材店が来て、お墓を建てるだけ建てて、その後のリフォームやご納骨式の手伝いなどは来ない、と言ったブローカーのような石材店を警戒しているケースもあるようです。
そのため、信頼出来る石材店だということをお話して、お寺側に伝われば指定石材店以外でも施工を許可してもらえるケースも多分にあるそうです。