『カロートを自分で開けて納骨を自分でやってはいけないのですか?』
という質問に対してお答えします。
一般の方でも可能ですが、事前のカロートのチェックと納骨後の蓋止め作業が大事です。
件数は少ないですが納骨を一般の方が行うこともございます。
横浜市でもある地域では納骨は町内の「隣組」という組合が順番で納骨のお手伝いをする、という決まりになっている事例もございます。
ご自身で行う場合は十分にご注意ください。
納骨とは墓石の下にある「カロート」という納骨室にご遺骨を納めるのですが、一般的に納骨室の入口はみかげ石の重たい石でふたをしています。
蓋の重さはだいたい30~40㎏程度です。
成人男性であれば持ちあげられると思いますが、重たいですので、腰を痛めないように十分に注意して下さい。
石の蓋は一時違う場所に動かさなければいけませんので、その際に石をぶつけて蓋がカケたりしないように柔らかい毛布のようなものを準備しておくとよいでしょう。
そして納骨の際の一番のポイントが事前のチェックと納骨後の蓋止めです。
まず、納骨式当日までにあらかじめ蓋を開けてカロートの中をチェックすることが大事です。
カロートの蓋の石は、普段は簡単に開かないようにセメントなどで固定しているのが一般的です。頻度は少ないですが、何度かは開け閉めするところなので、ガチガチには固定していないので、ノミとセットウ(金づち)、バールなどを使用すれば開くと思います。
蓋が開いたら以下のことをチェックして下さい。
1.カロート入口部分から20㎝の骨壷を入れることは出来るか?
2.カロート内は骨壷を安置するだけのスペースが確保されているか?
3.カロート内は汚れていないか?
4.その他カロート内を見て異常はないか?
今の骨壷は昔の骨壷よりも大きく「7寸壺」といって直径約21㎝ございます。
昔に建てたお墓だといざ、納骨しようと思って蓋を開けてみると骨壷が入らないというケースも稀にございます。必ず確認しましょう。
また、先祖代々のお墓だと骨壷がいっぱいでもう納骨できないというケースがあります。その場合はカロートを拡張しなくても古い仏様のご遺骨を骨壷から出してカロート内に散骨するという方法で新しい仏様の骨壷のスペースを開けておくことが出来ます。
カロートは滅多に開けることがありませんので、事前に開けた際は水が入ってないかなど異常がないかをチェックして、きれいに掃除をして当日を迎えましょう。
最後に、納骨が終わったあとの作業も大事になります。
納骨が終わったらカロートの蓋の石を納骨前の元の状態に戻さなければいけません。
蓋となる石は置いただけですと、隙間から水が入ってしまう恐れがあるので、セメントで目地止めをします。ここでポイントとなるのが、「しっかりと目地止めされているけれど、将来、また蓋を動かさなければいけないときに外れるように目地とめする」ことです。
一般の方が納骨をされたお墓では目地止めをしていないお墓がある一方で、接着剤やシーリング材、セメントを大量に使って、いざ開けようと思っても全然開けられないお墓もお見受けします。そうなってしまうと、最悪蓋石を壊さなければいけなくなってしまいます。
以上のことから、石材店にお願いしてしまうほうが、施主様は負担が少ないと思います。