『お墓は石をただ積んでいるだけなんでしょうか?それとも、何かしらの方法で固定(接着)しているのでしょうか??』
という質問に対してお答えします。
結論を申し上げると、お墓を施工する場合は必ず固定、接着いたします。
方法は様々あります。まずは、石と石をセメント(モルタル)で接合するやり方です。石の接合部分にセメントを充填すると、セメントが石と石に接着した状態で固まります。石の接合方法として昔から利用されている方法です。
最近ではセメントの代わりに接着材を使用することも増えました。また、セメントと接着材を両方使用して施工する場合もあります。
使う石との接合の相性や接着面積などで接着方法を変えています。
加えて、接着するだけではなく、石の結合の強化のために金具を使用する場合も多いです。
例えば、お墓の石を積み上げていく際に、ただ石を乗せて接着するのではなくて石と石をステンレスのピンでつないでおくことでより地震に強い施工をすることができます。
お墓の囲い(外柵)を施工する場合には角々にL字金物をアンカーで結合したり、石と石を鎹(カスガイ)で結合すると耐震性が強くなります。
金具は錆にくいステンレス製を使います。
他にも衝撃吸収パッドを接合部分に入れておく方法も近年増えています。
衝撃吸収パッドを入れたお墓が大学での実験で震度7程度の揺れに対しても倒壊しなかったという実績もあります。
このようにお墓の構造(施工方法)は地震にも耐えうるように日々進歩しております。
しかし、実際は震災で倒れてしまったお墓や石積みの映像がテレビなどにも放送されており、お墓の構造について心配されている方も少なくないと思います。
まず、ご理解いただきたいのはお墓に使われる石(主に花崗岩)は非常に重たいのが特徴で、接着をしなくてもその重量だけでも簡単には動くことはありません。昔からお墓や記念碑に石が使われるのは時が経ってもずっとそこにあり続けることができる不変性、不動性が高いためでしょう。
施工者がしっかりとした施工することが最大の前提条件ですが、セメントや接着剤などが劣化していないかなど、10年くらいに一度はメンテナンスに気を配って頂くことも大事だと思います。