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2024.08.09

お墓のお引っ越しの際の3つのポイント③

田舎のお墓(お骨)を住まいの近くに移転するにはどうしたらいいですか?

という質問に対してお答えします。

 

お墓の引っ越しをする際のポイント3「お墓の地域性に注意」

 

墓には地域性があります。それは地域ごとのお墓参りの仕方の習慣からくるものもあれば、納骨方法の違いから発生したものもあります。

 

お墓の引っ越し(改葬)の際に問題になるのが、納骨方法の違いによるお墓の形状の違いです。

 

まず、知って頂きたいことが地域によって骨壷の大きさが違うということです。
現在はお亡くなりになると火葬場にて焼骨されて骨壷へお納めされます。
関東では全てのご遺骨を骨壷にお納めするので直径約20㎝の骨壷を使用することが一般的です。しかし、関西では骨壷にお納めするご遺骨は一部で、骨壷に納めないご遺骨は火葬場にて供養されます。そのため骨壷の大きさは大きくても直径15㎝ほどです。
そして納骨方法にも違いがあります。
関東では20㎝の骨壷をそのままお墓の納骨室に入れます。
関西では骨壷からご遺骨を白いさらしや納骨用の白袋などに出して、その状態で納骨室に納骨します。
このためにお墓に作られる納骨室の広さもその地域の納骨方法によって違いがあります。

 

このように地域ごとにご遺骨の納骨方法に違いがあり、お墓、墓石がその地域の納骨方法を前提に(やりやすいように)作られているということがお墓の引っ越し(改葬)で問題になるのです。
具体的な例をご紹介します。
大阪から神奈川に墓石を持ってくるという工事のご依頼を頂きました。移転先の神奈川の墓地は更地ではなく、すでにお墓の囲い(外柵)と納骨室(カロート)が出来た状態で分譲している墓地でした。
お施主様もご自身で大阪の墓石の寸法を測量して、神奈川の墓地の寸法を測量した結果、そのままの寸法で設置できると判断して購入されたそうです。
しかし、お話を聞いて、大阪の墓石の寸法や写真を確認したところ、不安な点が見つかりました。それは「もし次回、関東式に20㎝の骨壷のまま納骨しようとすると納骨室入口開口部分が十分に確保できない」ということです
お施主様にお話しして、大阪の石材店に墓石を正確に測量してもらうとやはり、納骨室の開口部分が20㎝確保出来ないことがわかりました。 そこで、お墓をそのまま設置するのではなく、一度工場で墓石土台部分を削る再加工をして、納骨室開口部分を確保してから設置をするご提案をして了承を頂きました。
上記の件は事前に気づき事なきをえましたが、もし気づかずに建ててしまうと、将来いざ納骨しようとした段階で骨壷が入らないというトラブルになるところでした。

 

この他にも上記の例とは逆に、持ってくる墓石が周囲のお墓に対して小さくて台石部材だけ新しく追加作製する、というケースもございます。

 

お墓の引っ越しは墓石寸法のみならず、その地域の納骨方法などの事情が大事になりますので、是非その地域の石材店に聞いてみましょう。